そして伝説となった
2016/04/13
毎日ジョギングネタで申し訳ないのですが、僕のジョギングコースに釧路での老舗ジャズ喫茶「ジスイズ」があり今朝もお店の前を通ってきました。その「ジスイズ」が今日1月末日をもって正式閉店をします。実は昨年の9月にマスターの小林東さんが脳梗塞で倒れ、それからずっと店の灯りは消えたまま。現在リハビリ中との事ですが今回正式閉店となりました。
誰かお店を継いで続ける人が居ないかという話もあったようですが、やはりこれだけの店を継ぐのは無理だと思う。というか飲食店って一代限りで良いんだと思います。マスターの人柄が好きで、お店が好きで、その生き方に憧れてそれぞれお客が集まってきていた。お店はその店主の生き方そのもの、それに惚れて皆来ていたんだ。お店は一代限り、次に続く世代がまた自分のお店をつくり新しい歴史をつくっていけば良いのだと思います。
「ジスイズ」はもう伝説の中で僕らが語り継がなければならない世界に行ってしまいました。70年代の高校生だった頃、初めて「ジスイズ」の扉をたたいた。当時はジャズは黙って聴けって感じで大音量のJBLスピーカーから流れるモダンジャズを緊張しながら聞いていたのを思い出します。当時はマスターの小林さんも眼光鋭く、おしゃべりなんかしたら「出て行け!」って怒られそうな感じでした。お店の歴史の後半は本来のジャズ喫茶に加え、ジャズはじめ演劇、舞踏などあらゆるアートの舞台として国内或いは海外のメジャーから若手実力派、或いは地元アーティストに至るまでライブの場として提供していました。音楽で言うと、この日本の東の片隅の小さな喫茶店の2階のギシギシ床が鳴るような小ホールで、あり得ないような面々が何度も演奏していった。渡辺貞夫、山下洋輔、大西順子などジャズ雑誌のトップページにいつも載っているような人たちが平気で北海道ツアーの最初にわざわざここを選んで演奏した。
小林さんはあらゆる質の高い魅力的なアートを選んできて僕たちに見せ続けた。何故この店が地元釧路のみならず全国から「精霊が住む場」として支持され伝説的なお店として憧憬の的となったのか?それはひとえに小林東という日本でも稀代のキュレーターが常に場をつくりそれを発信し続けたからだと思う。
「マスター早くよくなって」と今朝お店の前に張り紙がしてありました。僕も同じ気持ちです。あのちょっとゴツいカップに淹れたコーヒーが僕のコーヒーの味の原体験です。一つの歴史が終わりました。44年間、ありがとうございました。
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乗山徹
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