本気で防災対策をする気があるか?
2016/04/29
北海道中小企業家同友会釧路支部の定時総会で代表理事の本郷利武氏が講演しました。
北海道中小企業家同友会では4月1日から9日間、被災した岩手中小企業家同友会に新規入社3名の事務局員に小樽の事務局長を付けて派遣したそうです。
被災後、昼夜問わずに動き続けて疲弊も目立つ4人の岩手局員は、この大変な時期に新人など預けられても、と当初多いに困惑したとの事。
しかし、実際に5+4の9名体制になり、山積みになった支援物資の振り分け、合同入社式の開催、被災後初めての例会の開催など抜群に戦力を発揮。何より疲弊して澱んでいた事務局の雰囲気が花が咲いたように明るくなった。
被災後走り続けて冷静に周囲を見渡す余裕を無くしていたベテラン局員たちは、北海道から来た新人達によって、本来のセンター事務局はオアシスでなければならないという役割を思い出したとの事。
本郷氏は、これから本格的に復興事業が始まる。北海道の中小企業は連携タイアップしてどんどん仕事を作っていく事を考えるべきであると言います。
さらに、釧路市でも本格的に防災計画に着手すべきである。10mの津波が来たら間違いなく釧路市は壊滅するであろう。少なくとも内陸5kmまで津波は押し寄せ釧路町木場のイオンの辺りまで達するであろうとの事。
自然災害は人間の力をはるかに超える。それでも生き残れる釧路になってもらいたいとの言葉で講演をしめくくりました。
釧路のような海岸線から平地が広大に奥地に続いていて高台が少ない街では、巨大津波に対して逃げ場がなく、街が壊滅するのは明らかです。
市役所や合同庁舎、金融機関は海に近い平地に陣取り、しかも配電設備が地下や1階にある施設が殆ど。東日本大震災なみの津波が来たら、行政の指示機能がマヒしてしまい動きが取れなくなる。
しかも、今回クラスの津波が500年に1回の割合でこの地域に押し寄せている事が研究によって明らかになっている。
釧路市、議会などで今回の震災に対しての発言や動きが随分少ないように感じます。現在市議会議員選挙戦が繰り広げられていますが、防災対策への提言など強いメッセージは、少なくとも私の耳には届いてきません。
議会ウォッチャーによると会議中に昼寝をしている議員も居るようですが、当選後も緊張感を持って集中して欲しいと思います。選挙を前にして議会の存在が薄い、もっと定数を減らすべきであるとの意見も本当に多いです。市長の批判をしていれば良いという評論家議員では税金の無駄使いです。
釧路市は予算が無いのを口実に、このような重要な問題に対するリーダーシップが全然ないように見えるのですが、ポーズではなく本当に「大震災が来ても生き残れる釧路」に作り変える仕事をしてもらいたいと思います。
声あげて伝えて行かなきゃいかんね。
乗山徹
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