大空と大地の中で
2016/04/13
一昨日の夕方、泊まりでお隣の十勝支庁池田町にいってまいりました。僕は道主催の北の観光リーダー養成塾の塾生となっていて今回は池田町で一泊勉強会&懇親会。仕事の関係で懇親会から参加しました。塾生は観光協会の職員や行政マン、ホテル・旅館などの事業者、デザイナーなど観光に関わる人を中心に全道くまなく色々な人材が集まってきます。
どうしてもこうした観光振興の動きは市町村単位で自分の所にさえ来てくれればそれで良いといった縦割りになりがち。でもお客さん側からみたら行政区分けなんて意識している人は一人も居ない。バラエティに富んだ北海道の観光メニューを楽しめて最高の体験を求めてきているわけで、市町村毎の縦割りの誘致活動の結果旅行を楽しめないなんてナンセンスも良いところで実にばかげた話なのです。そこに風穴を開けようてんで現場レベルでまず親しくなろうと関係性の構築を目的に交流を深めている。北海道みたいに観光資源に恵まれていて一見観光ブランドが確立されていそうなところで何やってんの?と思われるかもしれませんが、現状は道内全体での観光システムはまだまだ初歩的で未発達な段階なのです。
池田町は釧路から行くと帯広の隣町で通過点なのですが、初めての泊まりでこの町を感じることができました。やっぱり泊まって酒を酌み交わさないとどんな町なのかは感じることはできない。で、僕の池田町の印象は「面白い、とてもよいところです」。何故かというと釧路と全く違う街だから。この街の最大の特長は日本最北端、最東端でワインを生産している街だというところ。ワインの街なのです。そして畜産、池田牛、羊、さらにチーズを生産。ヨーロッパ的なのです。以前行ったフランスに良く似ている。でも池田は池田、全く池田でしかない。シープドックショーを見せてもらったり、「まきばの家」という森の中のコテージに泊まらせてもらったり、なんだかゆったりしていて、池田いいね!って感じです。何と言っても人間が良い。その代表格が観光協会の佐藤恒平クン。地元の観光を一身に背負っているけど自分の所に囲い込もうなんて発想は全くなくていかに周りと連携するかを本気で考えている。自分の街の良さは自分で見えない、こうやって交流することでよそ者同士で感じあいフィードバックする。良さを知らなければアピールすることさえできない。交流を重ねることで互いに化学反応を起こすのです。
多分、机に座ったままの偉い方々や学者さんのご意見は空気みたいなものでコストの割りには何一つ変える力はないので、現場レベルでの関係性の構築が北海道を変える地道な一歩になる。十勝だ、釧路だ、うちの会社だけ良ければいいと言っている人たちは迷惑なだけ。現場レベルでの本気のつながりが化学反応を産み北海道観光を育てる。そんなことを思いました。池田町、ありがとう、また行くよ。
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乗山徹
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