え、やったことないの？

釧路では台湾との直行便が昨年秋から就航し観光客が増えてきています。台湾ではジャイアントという自転車メーカーが世界的にも有名でサイクリング旅行がさかん。そこでサイクリングを北海道の新たな観光資源にしようと管内でネットワークが立ち上がったとの事。とても良い取り組みだと思います。６年ほど前に南フランスのニースという地中海沿いの地域に行ったことがあるのですが、海岸沿いの普通の観光道路に行けども行けども延々とサイクリングを楽しむ人たちがバスの窓から見えました。ああなるとサイクルスポーツがフランスの文化なんだなぁとつくづく思いました。釧路湿原の周りや阿寒、摩周など平地が多く適度な山坂でサイクリングを楽しむには本当に適地だと思います。
でも、この取り組みに限らず、こういった体験観光に共通に欠けているものがある事に最近気付きました。それは「地元の人間が実は体験したことがない」のです。この広々とした青空の下、ロードレーサーやマウンテンバイクでサイクリングを楽しんでいる人、実は少数派。釧路川や厚岸の別寒辺牛川のカヌーは全国的には有名ですが、身の回りで「カヌー乗ったことある？」って聞くと、僕も含めて一度は乗ってみたいけどねぇという答えが返ってきます。

まあ地元の観光資源を地元の人が実は未体験というのはうちの地域に限ったことではないみたいで、例えば僕がいつも弾いている三線。沖縄の人なら誰でも三線を弾くだろうと思って仕事の全国会議とかで会った沖縄の人と話したら、逆に沖縄の人から「へ～、三線弾けるなんて凄いですね。私の周りでは三線弾ける人あまり居ないですよ」って言葉が返ってきてびっくりします。沖縄みたいに三線工房や三線教室のメッカみたいなところでも三線弾けない人が圧倒的多数派だというのが意外というか面白いというか。でも三線文化が２０００年くらいから観光資源として見直されて全国的にも三線ブームが起きて沖縄県内でも三線人口が増えてきているようです。

外の人に言う前にまず地元の遊びを地元の人が楽しまなきゃ。「カヌーいいっすよ～」って言いながら、実は「やったことないんですけど」って本当の事いったら、相手ずっこけちゃいますよね。

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乗山徹

代表取締役 ： ファーストコンサルティング株式会社

北海道釧路市の中小企業診断士＆ＩＴコーディネーター。エクスマ手法でお客さん企業の売上アップを日々指導。沖縄好きで三線唄者「シーサー君」としてピン芸人もやっています。「シーサー君ブログ」で手書き絵ブログを一日一絵一文を更新中！

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