経営コンサルタントも化石化する
2016/04/10
僕は独立するまでの10年ほどコンピューターとそのソフトウェアを売る会社で仕事をしていました。当時90年代までは、ソフトウェアの見積は人月制を根拠にしたもので、機能がどうであれ、投入した人間の時間と単価をもとに算出していました。だから一から設計したものを全部手組でプログラミングすると、目ん玉が飛び出るような金額になる、ソフトウェアがどれだけ役立つもので経営に寄与するかといったソフトの機能と、出された見積額には何の因果関係もなかったというのが正直なところです。何ともひどい話です。おそらくこんな見積のやり方がいつまでも続くわけはないと思っていましたが、案の定、2000年代に入って大手のソフトウェア会社はどんどん姿を消していき、コンピューター大手はリストラに次ぐリストラで産業の姿を変えてしまった。
お客さんに優れた機能を提供してお客さんの収益を上げる効果のないものは、どんどんお客さんから相手にされなくなり、仕事をなくしてきている。僕がかつていたソフトウェア産業だけでなく、複数の業界で同じことが進行しています。たとえばデザイン事務所。僕の知り合いのデザイン事務所もこの現象を危惧していて、「デザインしかしてこなかったデザイナーは、いつの間にか、言われるがままの物しか作れないオペレーターになった」と言います。だからマーケティングの価値を提供してお客さんの収益を上げるお手伝いができるデザイン事務所しか残れないんだと思います。
翻って我々コンサルタント業界も、全く同じことをお客さんから突き付けられている。仕事をしていてたまに大手コンサルタント会社の仕事の残骸を目の当たりにすることがあります。チラシ一つとっても、反応の上がらない典型事例みたいなものを見本にして指導していたりする。先生、先生などと呼ばれて、時代が全く変わってしまったことに一番気付いていないのが、僕ら経営コンサルタントや中小企業診断士の業界なのかもしれません。
経営コンサルタントや中小企業診断士こそ、お客さんの収益を上げてナンボというのが一番要求されているのです。はったりも何もいらない、お客さんの収益を上げるお手伝いができたか否か、そのただ一点に注力すべきなのです。この時代の要求が、我々経営コンサルタントや中小企業診断士にとって受難の時代か?それとも福音か?それは個々の僕ら自身がどう生きるかで自ずから決まるのだと思います。「あの人、化石化してる」って言われないように頑張ろうっと。
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乗山徹
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