テネシーワルツ
2016/04/07
先日、お客さんから「乗山さん、JAZZ聞きますか?」ってFBメッセージが入っていたので、「JAZZは昔から大好きです」って応えたら、JAZZコンサートのチケットをもらったけど自分は当日仕事でいけないので差し上げますとの事。数日経って郵送されてきたチケットを見ると「朝田麻里ニューイヤーコンサート」のチケットが入っていました。
朝田麻里さんは夫の黒瀧榮一さんのピアノをバックにジャズを中心に歌うスタイルの地元のミュージシャン。若い頃に渡米して身につけた歌唱力が有名な方で、釧路市内でスイングマリというジャズバーを古くから経営されて今に至っています。
実はこのときの僕の反応はちょっとがっかり。随分前(バブルの前で25年以上前だと思う)に朝田さんのお店に行って一度だけ聞いたことがありました。一緒に行った友人が「あれはジャズじゃない」とあまりにうるさく言っていたのが未だにイメージに残っているのです。(実はその友人自体がジャズを大して聴いていない人だったんですが(笑))僕自身の印象としては「随分唄のうまい人だな~」というもの。それと「凄い濃い顔だな~(笑)」とも思いました。でも当時の僕も本格的なジャズにまだこだわりを持っていたので、正直興味の惹かれる音楽ではなかったのです。
でも人のステージを見るのは色々感じたり、勉強になることも多いだろうと思い、昨晩、釧路芸術館アートホールで行われたコンサートに行って参りました。正直、あまり期待しないで会場に向かったのが本音。(篠田さん、ごめんなさい)
で、どうだったかというと、正直「素晴らしかった」です。朝田さんは風貌はカルーセル麻紀と青江美奈をさらに濃くした感じですが、お歳(70歳前後?)を全く感じさせない。伸びやかな声でジャズから歌謡曲、唱歌まであらゆるジャンルを歌いこなす圧倒的歌唱力、どの曲も素晴らしいと思いました。黒瀧さんのピアノもビルエバンス的なアドリブは何一つ無いけれど、素朴に幅広いレパートリーの伴奏をこなす、盛り場で生きてきたバンドマンなんだな~と思いました。ゲストの労災病院の宮城島先生のサックスもとてもよかったです。
結局、先入観を持つからストレートに入ってこないのだと思います。その先入観とは「どうせ地元だから大したことないだろ~」というもの。僕ら釧路人病は地元を卑下すること。地元の人間だから大したことがないと最初から決め付けてバリアを張ってしまうのです。
昨晩の朝田さんの唄は、釧路でなくとも、札幌でも、東京でも、朝田さんが若い頃飛び込んだ、ニューヨークでも、ロサンゼルスでも、テネシーでも、ジョージアでも、どこの観客でも素晴らしいと思うはずです。
ステージングの素晴らしさともう一つ凄いなぁ~と感じたことがあります。コンサートの最後に「21時30分から今日もいつものようにお店を開いていますのでいらして下さい」と一言。これが32年も続くお店の秘訣。年2回のリサイタルはファンづくり、新聞での記事の登場回数も多い。ちゃんとパブリシティ活用してます。飲食店のマーケティングの見本みたいな人たちです。
身近にこんなエンターテナーとして、ビジネスマンとしてのプロがいる。昨晩のコンサートは、地元の偉大なる大先輩お二人の背筋のピンと伸びた後ろ姿を見せられた気がします。やっぱり釧路ってすごい。
「なるほどね~・・・」という方は ↓ ↓
↓↓ クリックよろしくお願いします
今日もマーケッター藤村正宏師のブログで勉強しよう!
The following two tabs change content below.乗山徹
最新記事 by 乗山徹 (全て見る)