商品神話の終焉

2014/12/13 2016/04/03

先日、お客さんが今度新しく扱うという新素材の説明会に出席を請われて、そのメーカーのプレゼンを聞く機会がありました。
説明を聞いていて、凄～く多用途でこれから絶対伸びる素材だろうな～というのは理解できました。でも、その説明を聞いていて途中から何故か抗しきれない睡魔に悩まされました。少し早起きしたせいもあったとは思うんですが、どうしても集中できなかったのです。

別に仕方なく聴いていたという訳でもなく、事前情報でそれなりに興味を持っていただけに、説明を聞いて集中できなくて眠りに落ちかけるというのは我ながら申し訳ないと思いながらも、本当に眠かったのです。
プレゼンの仕方だって、僕よりずっと滑舌も良いし（笑）、テンポも悪くなかったし、早口でもない。それなのに話を聞いている内に眠くなるのです。何故だったんだろう？
原因はこんなところじゃないかと思うんです。
延々と、この新素材はあれも出来る、これも出来る優秀な商品であるという話をされたんですが、現実に北海道の現場で具体的にどんな用途で何が出来るのかが分からないとピンと来ないのです。
商品を売る時に、「自分の商品はこんなに良いんです、色んな人に買ってもらいたいのでこの指止まれ～！」って言っているわけで、こういうまず商品のスペックをひたすら説明する売り方されると、聞いている側はピンと来ない。
この説明で欠けているのは
(1)商品の価値がどこにあるのか明確にする
(2)その価値を必要とする顧客ターゲットを絞る
(3)絞ったターゲットに対し（この場合は会場に集めて）この商品の価値、強みを説明する。
といったことじゃないかと思います。
つまり、話の順番が逆で、まず商品の優秀性を口角泡を飛ばして説明し、使い方はお客さんの方で勝手に考えてくださいって言われても、お客さんは興味を持てないということなのです。

考えてみると、僕も昔ＩＢＭのコンピューターを売っていた時代は、同様のことを繰り返していた。商品の優秀さをひたすら訴え、あとはお客さんの方でうまく使ってくださいって感じです。商品さえ優秀なら売れるはずだという神話は、もう過去の遺物です。
商品の説明を受けていて異常に眠くなった理由は、多分こんなところなんじゃないかと後から気付いた僕でした。あんまり、早起きも考え物だけどね(笑）。

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