一人一人の想いに寄り添う

2015/11/21

昨日は元東京ディズニーランドの職員でコンサルタントの加賀屋克美氏の講演「仕事が楽しくなる感動のエピソード」を聞くことが出来ました。
どんな話か全く予備知識もなく、それほど期待もしないで（失礼）臨んだのですが、最後には顔をうつむいて涙を必死に隠している自分が居ました（笑）。
ディズニーランドが何故長期にわたってファンの心を捉え続けているか、その理由が垣間見えたように思います。

ディズニーランドで起こったこんなエピソードをお話してくれました。
施設内のレストランで入店３カ月の新人ウェイターが窓側の２人席の夫婦に注文を聞きに行った。旦那さんはハンバーグ、奥さんはパスタ、そしてもう一つ子供用のメニューを注文された。
規則では、大人だけだと子供用メニューは注文出来ないルールになっていた。
そこで「お子さんは後からいらっしゃるのですか？」と聞くと、夫婦はあきらめたように、やっぱり子供メニューは結構ですとの事。
ウェイターは何か事情がありそうだと思い詳しく聞いてみると、実はこの夫婦、２歳のお子さんが居たのですが、難病で入院、頑張って病気を治して３歳の誕生日には３人でディズニーランドに行くのが夢だった。
しかし、看病の甲斐なく余命宣告、天国へとお子さんは旅立って逝った。
今日が３歳の誕生日だったのです。

ウェイターはこの話を聴いて何とか子供用メニューを出したいと思いました。
厨房まで行ってシェフたちに相談すると、皆で話し合い、ルールを曲げても子供用メニューを出そう、ルール自体を変えようという事になりました。
さらに４人用の広い席に夫婦を案内して子供席も用意してデザートプレイトを出して、スタッフ全員でハッピーバースデイを唄った。

帰り際に夫婦はこの新人ウェイターに「一生の思い出が出来ました」と嬉しそうに語ってくれた。
遠ざかる夫婦を見送ると、天国にいるお子さんを間に挟んで仲良く手をつないでいるご夫婦の後ろ姿があった。

一人一人のお客様が本当に楽しみで楽しみで夢のディズニーランドに来てくれている。
サービスを提供する一人一人が、お客さんがどんな想いで来てくれているかに思いを馳せる。
大事なことに気付かせてくれた素晴らしい講演でした。

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