誰も売ってない

2017/07/17

多額の補助金を入れて開発した商品が数年経っても売れない。
そんなご相談がありました。

実はこういったケースにこれまで何度も出会っています。
多額の補助金を受けた商品は売れない？
そんなことはありません。

補助金は国が産業政策を推し進めるために重点分野を定めて中小企業に返済不要の資金を付与するもので、いわば返さなくて良いお金です。
２分１補助、あるいは３分２補助が多いのですが、逆に言うと半分から３分１の資金は自分で賄う、多くは金融機関から長期借入金の融資を受けることになります。

開発した商品が売れないと、かかった経費分を回収できずに赤字となる上に、銀行への返済もあるということでダブルで資金繰りに効いてきて、本業の収益を蝕んでいくのです。
誰も趣味や遊びで新規事業や商品開発をしているわけではなく、将来の収益の柱にしたいと考えチャレンジするのですが、この売れない状態を放置しておくと、一体何のためにこんなことを始めたんだとなってしまいます。

どの企業も補助金をもらって商品を創るまでは出来るのです。
もうそれはほぼ１００％どの企業もそこまではやり遂げる。
ところが売るとなると、そこで多くの企業が足踏みをしている。

その原因は一言でいうと「誰も売っていない」から。
もちろん、アンテナショップの店頭に並んだりして売り場に商品は置いてあります。
でもそこで終わっている。
お客さんはその商品の良さに気付かないし、商品の存在自体に気付いていない。

この商品は顧客である私にとってどんな良さがあるのでしょうか？
を一言で伝えられていない。

作るのは得意、良い商品なのだから売れるに違いない、というのはＮＧ。
その良い商品を自分の絞ったターゲットにスコンと伝わる形にする、そこが出来ていないで、良い商品つくったので後は勝手に解釈して下さい、と放置して売れる商品などない。

商品が売れないのは、買ってくれないのではなく、誰も売っていないからだと思います。

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