未来を予言ではなく構想する
設備投資の相談を受けることも結構あります。
こういった場合は前向き投資、需要が多くて生産能力が追い付かないので拡張という話です。
大型投資の場合、回収の期間も最低でも5年、10年を超える場合もあります。
果たして向こう10年で、この大きな投資を回収できるか否か、経営者は頭を悩ますところです。
当然ですよね、まさに投資の判断に社運が掛かっているのです。
莫大な資金調達をしたものの、その投資がさっぱりキャッシュフローを生まなければ、会社は傾き下手をすると倒産するリスクもあるのです。
だから向こう10年が自分の商売にとってどんな時代になるのか?そこを見極めなければならない。
でも10年後のことまで正確に予測できる人はいますか?
いるわけありません。
ノストラダムスだって、僕らが少年時代にあんなに恐れていたのに、恐怖の大王はこなかった、良かった~!(笑)
現実にこの10年、誰がリーマンショックを予測しましたか?
誰がSNSがこんなに時代を席巻すると言ってましたか?
誰が原発事故を予測できましたか?
何が起こるかなんて分からないし、まったく予想外のことが次々に起きるのだけは間違いない。
つまり未来の予測なんて出来ないのです。
じゃあ経営者は将来への投資の判断は出来ないのでしょうか?
経営者は未来を予言なんて出来ないけど、自分がどう事業を形作りたいかは考えることが出来ます。
自分の会社の将来をこの10年でどう形作るのか?
設備に投資をして生産性を上げる。
その投資をフル回転させるためには優れた人材育成が絶対必要。
そのためにどこに強みをもっていくか、組織をどう強くしていくか。
それらも含めての将来設計を今すべき時なのです。
投資したからキャッシュフローを産むわけではなく、そこを起点として経営資源をフル動員して、時代がどう動こうとブレない強靭な会社を創り上げる。
投資を考える時、長期の自分の事業を組み立てる構想力が経営者に問われている。
その構想を経ない投資は悲劇が待っている。
経営者は未来を予言ではなく構想する。
そこ、規模の大小を問わず経営者の仕事です。
乗山徹
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