空を仰げばブルーオーシャン

2018/10/22

先週末は北海道中小企業家同友会の道研（全道経営者共育研究集会）があり、お隣の帯広市に行って参りました。
道研は中小企業家同友会の「花」とも言える大会で毎年１回、道内各都市持ち回りで開催され、初日は１９に別れた分科会、２日目は基調講演で、今回私が知った２つの会社は、それぞれ全く違う意味で今の時代を象徴する、ぞくぞくするほど凄すぎて人に話さずにはいられない会社だったので紹介したいと思います。
今日は、インターステラテクノロジズ社について。

この会社名、どこかで聞いたことがある人も多いのではないかと思います。ホリエモンさんが関わっているロケットの会社と言えば解るのではないでしょうか。
北海道東海岸の太平洋に面する十勝の大樹町にその会社はあります。

ロケットの会社というとピカピカの立派な社屋を想像していたのですが、意表をつかれました。釧路から海岸線を通ってえりも岬の方を目指すにはナウマン国道という太平洋岸に沿った道を通るのですが、そのナウマン国道沿いにあった小さな農協ストアの廃屋を改造して更にプレハブ小屋を設置したものが本社＆工場でした。
ここで設計から製造までやっているのですが、全て町工場的な手作りなんですね。

ロケットの打ち上げ実験場はそこから更に海岸線側に１０分位走った海の近く。
この東海岸一帯のナウマン国道沿いにはとにかく集落も家もお店もない。元々湿原みたいな利用が難しい土地なのでそうなっているのですが、近隣の苦情を気にする必要がないという意味でロケットの打ち上げにはこれ以上ない条件なのです。ロケットの打ち上げ方向は南東に向けて打ち上げる必要があり、更に海上での船の往来が少ない等の条件もあり、世界的にみてもこの一帯がロケット始め航空機の打ち上げ実験場に敵う数少ない場所だというのです。

今のところ、開発したロケットの打ち上げ試験を繰り返して改良を重ねている段階なのですが、商用の低コストの民間ロケット完成を目指しており、今後大きな市場化が期待されている宇宙ビジネスの中で宇宙空間の低コストでの運送業的な業態を目指しているようです。
今年６月の打ち上げ実験では打ち上げ後４秒で落下、爆発し、試行－改良を積み重ねて技術の蓄積を進めている。商用化できるまでは売上が無い状態で、資金の全てを将来を見込んだ多方面からの投資でなりたっており、常に資金不足。あの意表をついたプレハブ社屋や殆ど手づくりの実験場など、余計なことにお金をかけている余裕がないのでしょう。

でも、夢がいっぱいなのです。説明する社員の方も、役場の課長さんも、とにかく楽しそうなのです。聞いている我々も皆楽しい。これが完成したら凄いことになると思います。この会社を見たらだれでも応援団になると思います。何か直感的にそう思いました。今まで見たことのない何かを見たような。

大樹町はインターステラテクノロジズ社が来る前から、ＪＡＸＡや色々なメーカーと連携して、航空宇宙実験場を整備して活用されていました。多目的航空公園には滑走路が整備されていますしＳＯＲＡという学習施設もあり、楽しめます。
大樹町は宇宙による街づくりをしていて、年々来場者も増えている。目指せヒューストン！ですね。

今回、認識を新たにしたのは、空や宇宙が今後現実的に大きなビジネスになる段階に入っているということです。
普通に暮らしていると空とか宇宙のことなんか僕のような凡人には思いもよらぬことでした。
・ジェット機が飛ぶのは地上10kmの上空。
・今ステラ社が目指しているのは国産宇宙往還機が行き来する100km上空。
・さらに宇宙ステーションは400km上空。
・気象衛星ひまわりは完全に宇宙空間に出ていて36,000km上空。
同じ宇宙といっても、飛行物によってこんなに高度の差があるなんて初めて知りました。

既に宇宙ビジネスをめぐって世界的に開発競争に入っているようで、ステラ社は負けないで絶対モノにして欲しいです。
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ふと空を見上げると青い海が広がっている。
凄いな。

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