口うるさい小言が全てを変える
最近の話題の中で治療アプリの動きがちょっと気になっています。
治療アプリって何だ?アプリってそもそもソフトウェアでしょ。何でクスリも使わず、手術もせずに病気が治るの?と初めてこれを聞いた時に思いました。
多分、多くの人が同じように疑問に思う所だと思います。
治療アプリは全ての病に効くわけではありませんが、糖尿病や禁煙など生活習慣に起因する分野では大きな効果があることが実証されています。
患者が自己管理をすれば大きく改善され治癒できるような病で、その自己管理を助けるのが肝。放っておくとこれまでの不健康な生活を送る所を、微に入り細に入りアプリで通知が届いて、本来の病にかかりにくい正しい日々の行動を送られるように正してくれるというわけです。
小まめな世話焼き女房のように、または優秀なコーチのように、そばにぴったり寄り添って、放っておくと必ず怠惰に流れ時間経過と共に病に陥る所を、健康で豊かな人生を送られるような仕掛けを敢えて日々の生活の中に組み入れる。
これって実に正しいなぁと思う次第。
クスリや手術は既に病が悪化した後の事後対策であり、このアプリは病が起きる前の事前対策。病気が進行した後では手遅れで治療効果が限られることも多い。
やはり、病気の起こる原因から手を打つ必要がある。
そのために病の原因を断つ行動を分析して、そのポイント毎に小まめにスマホで小言を送り続けるように設定する。
この行動原理は医療の分野だけでなく、日々の行動や経営にもそのまま応用できると思っています。
本来望ましい行動がとれない原因を、心掛けややる気についつい求めてしまいますが、そこをただすのは殆ど不可能、人間が行動する(しない)原因はそんな所にはない。
治療アプリでいうと、ついついこれまで通り流れてしまう場面でスマホ画面に「それやっちゃヤバイっしょ」とお知らせがくる。それだけのことで命が救われるのです。
放っておくとこれまで変わらない怠惰な日常に敢えて行動するような仕掛けを据える。
口うるさい小言が全てを変える。
会社を変えるというのは本質的にこういうことではないか、と思う次第です。
あなたの会社、こんな仕掛けを施していますか?
多分やってないっしょ。
乗山徹
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