スカスカの白書だった
2016/04/28
今日は中小企業家同友会釧路支部で国の中小企業対策と補助金のお話をしました。
中小企業庁では毎年6月位に「中小企業白書」を出して中小企業政策の背景
となる考えを書いています。
僕たち中小企業診断士はこの「中小企業白書」には深いつながりというか
腐れ縁?があるんです。
というのは中小企業診断士試験には中小企業政策という科目があり「中小企業
白書」を読んでいないと解けない内容になっているからです。
僕らの頃は2次試験科目だったので個々の施策を暗記して回答用紙に記述しな
ければならず、暗記帳みたいのを作って歩きながらブツブツ唱えて覚えるなん
てことをやっていました。
最近は診断士の資格更新研修の時にダイジェスト版を経済産業局の課長が説明
するのを聞くくらいで白書を直接読み込むなんてことは10数年来していません
でした。
今回、改めて読み直して随分白書も変わったなぁと思いました。
まずカラーをふんだんに使ってあり大判になり見やすくなった。
でも内容が随分薄いように正直思いました。
はっきり言ってこの海江田(前)大臣の冒頭あいさつで全て済む内容を延々と
グラフを使ってページを増やしている。
今年度は震災関連の章が冒頭でさかれているのですが、全体として明確な中小企業
政策という強いメッセージが感じられない。
3つの重点として①創業、転業をサポート、②中小企業の労働生産性を上げる、
③海外進出、海外需要を取り込む が挙げられていますが、3点の施策については
従来どおりのものが殆どで重点というにはあまりにも手薄な感じです。
ここは中小企業憲章の精神に立ち返り、一から地に足のついた中小企業政策を再構築
してもらいたいものだと思います。
この違いは何なんだろう?
多分、僕が白書を勉強していた十数年前と日本経済が別物になっちゃったからなんだろ
うなと思います。
当時はものづくり中心に白書の内容も明確なメッセージが感じられ、もっと自信に満ちて
いたように思います。
白書の内容がスカスカになったというのは日本経済自体がスカスカになっている事
に加えて政治と行政もスカスカになっている事の表れなのかな。
めったにやらない役所の文書の解読作業。
色々感じるものがありました。
乗山徹
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