言いづらい事を言う
2016/04/28
一昨日の石破茂さんの釧路での講演について印象に残った事を書きます。
論旨が明確で分かり易いのですが、僕に取って全てが同調できる内容ばかりではありませんでした。
(1)例えば原発についてですが、先進国でドイツが全て廃炉にすると言っているが原発大国のフランスの売電に頼ることができるからであって実質先進国で原発をやめると言っているのは日本だけだ。日本は世界で最も安全な原発を作っていけば良い、という見解示しました。
僕は原発は全て廃棄すべきだと思っています。恐らく殆どの日本人が原発はもうやめた方が良いと思っているように見えます。つまり今「原発を維持すべきだ」と聴衆の面前ではっきり言うという事は、いくら自分の選挙区から離れているとは言え、反発を招く、少なくとも政治家としては全然受けの悪い事だと思うんです。でもあえて言う。
(2)それから憲法改正は自民党の結党からの悲願であるとの事。外の敵と戦う軍の規定が無い、震災になっても国家非常事態宣言を出せない。何故か?憲法に規定が無いから。何故憲法に規定が無いか?占領時にアメリカが作った憲法だから。占領下に守るものはアメリカの軍隊でありそんな規定は必要がなかったから。そんな憲法が未だにそのままになっていて良いのか、というもの。この問題も僕はそのまますんなりは受け入れられません。
(3)消費税の問題。それは誰で高い消費税を払いたくない。消費税は20世紀の半ばにフランスで発明されたもの。手厚い福祉政策がフランス始めヨーロッパの先進諸国では取られているが必ず高福祉と税率の高い消費税はセットになっている。ところが日本は高福祉だけは真似するのだが財源の手当なくやってきたものだから財政を圧迫し、もう高福祉を今のままでは維持できなくなっている。
< ヨーロッパでは20%前後の消費税を財源として高福祉を支えている クリックで多くなります ↓ ↓ >
世界一の借金大国で国債の買い手が日本人が殆どという理由だけで奇妙なバブルが保たれている。もし消費税を上げて財源のバランスを保つことができなければ一気にバブルが弾ける日が近々来るであろうとの事。
この件に関して全く同じ意見です。
(まとめ)こんな風に賛成できる事、今ひとつ判断に迷う事、明らかにそれは反対、
とテーマによって自分の考えと合う合わないはまちまちでこれはどの人もそうでしょう。
僕が石破さんを好きなのは、今日本はこうだから、こういう理由でこの政策を進めないといけないと、いいずらい事や痛みを伴う事でもあえて言い切る。論旨が非常にはっきりしているところです。なるほど、そういう理由ならやるべきかどうか議論してみようよとなるわけです。
今回の講演でも全然国民のムードとして白けたり、受け入れがたいような事でも必要であればはっきり物を言う。これは日本のリーダーとして絶対に必要な要素です。
対極にあるのは、何やりたいんだか政策やビジョンも語らず、裏でこそこそ足引っ張りばかりやっている輩です。
消費税反対の署名をするのはいいけれど、日本の将来を他の方法で何時までに何をやるのか代替の政策も提言せずに「甘いささやき、問題先送り」を相変わらず続けている。こういった政治家は日本を滅ぼすゾンビーですね。こう人たちを集めて「日本食い逃げ党」を結成して、さっさと選挙で落ちて欲しいです。
石破茂さん、話の中で「もう民主でも自民でもなく」という言葉を何度も言っていました。本当に仕事をする人と「甘いささやき、食い逃げ、先送り」ばかり奨励している人に分かれて政界再編して欲しいと切に願いますね。
乗山徹
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