失敗の本質
2016/04/28
「失敗の本質」という本をご存知でしょうか?
第二次世界大戦の日本軍の敗戦から何故負けたのか、負け方を分析することで逆に今後の企業経営等に生かすことを目的として野中郁次郎氏などを中心に編纂された名著です。
この本の内容はさておいて、失敗から学ぶ事って多いと思っています。
昨日のブログで、僕は28歳の時に会社の今後のビジネスモデルを提案できないで逃げ出したという失敗を書きました。このことは自分としては挫折感と共に心に封印していたのですが、この機会にもう少し掘り下げてこの失敗を考えてみました。
80年代の前半にCDやLP等の音楽メディアのレンタルサービスが始まりました。当初はサラリーマンの副業からベンチャー企業的に立ち上げた零細な会社が多く、都市部の地下鉄出口に小さな店舗を構えて集客するスタイルが主流でした。僕の居た会社もそんなスタイルでした。
その後から洋画邦画を中心としたビデオのレンタルが出てきた。これはある程度店舗面積が必要となるもので徐々に面積と駐車場スペース取れる郊外型が主流になってきた。
その後は80年代の後半から現代に至るまでTUTAYAやゲオなどの大手の寡占となり今に至っています。Ituneストアやビデオオンデマンドなども出てきて、このレンタルサービスも新たな局面の様相を呈しているといった所でしょう。
過去にたらればは無いのですが、もし僕は80年代の中盤に戻れるとしたら、資金調達をして郊外型店舗出店への意志決定をすべきだったのでしょう。僕が新しいビジネスモデルの提案をできて、オーナーが健康で資金調達をしていたら今頃はTUTAYAあたりのFCとしてやっているか、更に別なFCを立ち上げているか調子良く経営をできていたのかもしれません。
でも出来なかった。
何故?
少なくとも自分の事に限れば、意志決定できるだけの知識と経験が圧倒的に不足していた。特に投資に対する知識と経験、財務の基本的知識が欠如していたのです。集客をして売上を上げる、店舗の利益を上げるという事ばかりに注力していた余り、お金のことはよく分からない。財務の事は良く分からない人間でした。
財務の本質を分かっていないと投資の判断は出来ない。本当に追い詰められて意思決定を迫られたときに意思決定をする能力が無いという事です。これが28歳の時の僕の失敗の本質です。
この仕事をしていると28歳の時の僕と同じような人に良く出会います。営業は得意だけど財務はブラックボックスで良く分からない。
でもそれを放置していては、将来岐路に立った時に必ず困る、社員を路頭に迷わせることになる。それは片肺飛行をしているようなもの。
少なくとも財務の知識などは万人がその気にさえなれば身につける事ができる。
若いうちに見につけておくべきものですね。
心当たりのある方、明日からでも始めましょう。
乗山徹
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