潮目が変わった
2016/04/13
今年の継続目標の一つに日経新聞の経済教室の全読破をあげました。今のところ続いています。って昨日でまだ2話目なんで。
1話目の日銀新総裁候補の武藤敏郎さんの話もとても切れ味鋭い話でしたが、昨日の2話目の藤本隆宏さんって東大教授の話も凄く今後の日本の行く末に期待の持てる話だったので是非紹介したいと思います。
テーマは日本のお家芸である製造業「ものづくり」が90年代以後現在に至るまで世界の競争の中で何故厳しかったのか、それが今後どうなるかを予測しています。確かに日本の製造業は石川啄木じゃないですが、働けど働けど我が暮らし楽にならざる、じっと手を見る・・って感じで凄く努力しているのに中国はじめ新興国にどんどんやられっぱなしって感じでした。
藤本さんは19世紀の経済学者リカードさんの貿易論という考え方を使い最近の日本の製造業が何故厳しかったのかを説明しています。
リカードさん曰く
1国の産業競争力は (1)生産性×(2)時間当たりの賃金単価×(3)為替レート×(4)利益上乗せ率 で決まる。
って書くと何だか難しそうですが、この4つの要素がそれぞれ多い方がその国の産業競争力が強いという事です。
日本の製造業の(1)生産性は過去から現時点でも世界トップでありここが強みである。ところが、この生産性が中国の2~3倍あっても(2)の賃金単価が20倍も開きがあったり、(3)為替レートが日本だけが円高で不利な立場に置かれていた内は最初から相手に大幅なハンディをくっつけてやって競争を強いられているようなものである。それでも自動車産業などはそのハンディを克服して優位性を保っているが部品モジュールが世界共通化した電気産業などは競争力を全く失ってしまった。
ところが藤本氏によれば今、正に潮目の変わってきたというのです。
(2)の賃金単価が中国始め振興国の賃金高騰と(3)為替レートの正常化(円安)によりハンディが縮小し十分戦えるレベルになってきており、このハンディは今後さらに確実に小さくなる。(1)の高い生産性を持つ分野については「ものづくり日本」の競争力復活の可能性が高いという話でした。働いて働いて我が暮らし豊かになりけり・・と行きたいものです。
「経済教室」勉強になるし面白いです。是非直接読んでみてください。
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乗山徹
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